2018きさらぎ賞はサトノフェイバーが逃げ切り、無傷の2連勝で重賞制覇となりました!
レース前に想定されていた通り、サトノフェイバーが単騎逃げでペースをじっと落としての競馬になりました。そのため向正面でドスローを嫌った外枠の人気馬グローリーウェイズ、ダノンマジェスティ、カツジがまくっていったため中盤が緩まない面白い流れのレースになりました。
特にグローリーウェイズは一度サトノフェイバーを交わすくらいの勢いで並びかけましたが、これに絡まれながらもハナを取り返してゴールまで粘り込んだサトノフェイバーのしぶとさが光りました。
クラシック路線を占う意味では、京成杯勝ち馬ジェネラーレウーノに続く有力な先行馬が頭角を現しましたね。サトノフェイバーはまだスロー逃げしか経験がありませんが、レースを締まったものにするためにも先行馬は不可欠。そういった意味でも楽しみな存在です。
ここに出走した馬たちは有力馬とぶつかるのは本番までお預けになりそう。しっかりとレース回顧をして、クラシックにつながるレースになったのか考察していきます。
レースラップ
12.8-11.9-12.1-12.5-12.0-12.1-12.2-11.5-11.7
(61.3-47.5=1:48.8)
最速地点 | 最高速度 | 失速度合 |
L2 | 低速 | 超持続 |
(馬場は良)
レース全体としては、途中で有力馬が仕掛けていったのでややスローくらいのバランスに落ち着きましたが、最序盤がかなり緩くなっています。
スタートして2ハロン目の11.9はかなり遅く、ここですでにニホンピロタイド・ダノンマジェスティ辺りは映像で一目でわかるレベルのかかり方でしたし、グローリーウェイズも抑え込むのを早々に諦めて前に並びにいき始めました。
800m通過した辺りでグローリーウェイズがサトノフェイバーに並んで一旦前に出たので、ハナを取り返すために800~1000のラップタイムが若干速くなっています。
ただ、グローリーウェイズもハナを取るというより、緩いペースを見越して前目のポジションを取りに来ただけだったので、サトノフェイバーはハナを取り返してから3,4コーナーで息を十分に入れることができました。
結果的にサトノフェイバーにとっては、京都の下り坂からコーナーにかけて一度緩めることができたことが、直線での再加速につながったといえます。
京都の馬場は相変わらず時計がかかる状態だったため、トップスピードが11.5でおさまったのは仕方ないところ。それよりも、ラスト1ハロンで11.7とほとんどスピードを落とさなかったことを評価したいところです。
まとめると、緩みは少ないものの淡々としたスローの中での前残り戦だったといえます。
ポジション差を活かした馬が上位に入っており、基本能力となるスピードやスタミナといったステータスより、序盤の先行力や折り合い、インで我慢できる立ち回りの良さといった付属的な能力を強く問われたレースでした。
予想結果
印 | 馬名 | 結果 |
◎ | レッドレオン | 7番人気4着 |
◯ | ダノンマジェスティ | 1番人気8着 |
本命のレッドレオンは惜しかったですが・・・。もっと淀みなく流れてくれたワンチャンスあったというレースぶりでした。
ダノンマジェスティについては、危険な面がありつつ能力は評価という見解でしたが、危険な面がもろに出ましたね。新馬戦は高速馬場だったとはいえ、なかなかあの上がりを出せる馬はいません。まともに走れば世代上位の能力があるという評価は変えませんが、次にまともに走れるのはいつになるでしょうか・・・。
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各馬回顧
1着03サトノフェイバー
好スタートから軽く促すだけで先頭へ。そのままマイペースで序盤を引っ張りますが、レース中盤でグローリーウェイズに絡まれます。
しかし、そこでも走る気を無くしたりかかることもなく、スッとハナを奪い返してコーナーへ。ここで緩めながらも後続を少し離すことに成功しました。
直線では終始グローリーウェイズとの競り合いになりますが、ゴールまでスピードは衰えず。最後は首の上げ下げになりますが、ぎりぎり残して重賞初制覇となりました。
中盤で逃げ馬にとってはかなり厳しい絡まれ方をしましたが、落ち着いて対処したうえで直線では最後まで逃げ脚を保ち続けました。
キャリア2戦目でしたが、非常に競馬センスのいい馬という印象がより強くなりました。
折り合いもつきますし逃げなくてはいけないタイプには到底思えないですが、レース映像からはっきりわかるように大跳びなので、馬群に包まれて窮屈に走るよりは前が空いた状態で走れる方がいいのでしょう。
2戦続けてスローでの逃げ切りで、基本能力に関しては高く評価できませんが、センスの良さは3歳馬とは思えません。
前半のスピードは未知数なので、皐月賞となると厳しいと思いますが、スローになりやすいダービーならばポジション差を活かした好走が望めるかもしれません。
2着08グローリーウェイズ
ゲートはイマイチで後方から。最序盤の動きは映像にないためはっきりとはわかりませんが、かかった素振りはみせていなかったように思います。
デムーロ騎手のペース判断の早さでぐんぐんとポジションをあげ、残り1000mのハロン棒を超えたあたりでサトノフェイバーに並びかけます。
そこからは一旦控えて勝負どころまで我慢。直線ではサトノフェイバーに競りかけていきましたが、相手がしぶとく捕えきれずに2着フィニッシュ。
この馬も早めに動いていった割には、坂の下りでもピタッと折り合いがついて我慢できていましたし、センスの良さが光りました。もちろんデムーロ騎手の判断の早さには脱帽。
それだけに直線でサトノフェイバーを捕えきれなかったのは、少し残念でした。
デビュー戦は超スローでL1最速戦、2戦目もマイルで前半64秒台と、前半の追走スピード面が未知数なのはサトノフェイバーと同じ。先行力と決め手の鋭さはあるので、こちらも皐月賞よりはダービー向きでしょう。
3着04ラセット
スタートは上々で、序盤はサトノフェイバーの直後を追走しましたが、外枠勢のマクリでポジションが下がってしまい、コーナーでは最内の3列目に位置します。
4角出口の捌きはスムーズで、前が開けた状態で必死に先行馬を追いますが、序盤のポジション差が響き3着がやっとという競馬でした。
これはツイてなかったなぁ、という印象。内の逃げ馬直後をピッタリと取れたのはよかったのですが、外から次々に動かれるとどうしてもポジションを下げざるをえなくなります。
直線ではよく伸びてはいましたが、前2頭とは決定的な差。トップスピードの絶対的な質は高くありません。
未勝利勝ちが46.5-48.0のややハイペースでの好位差しでしたし、こちらは前半から速くなって全体勝負になった方がよさそう。
今回スローペースでも馬券圏内に入れたのは、タフな馬場でトップスピードの高さが強く求められなかったためと考えられます。タフな馬場、タフなペースでこその馬で、次走500mのマイル~1800でスローペースになった時に取りこぼす可能性が。
1400で前半から流れた方が面白そうな気がします。重賞に絞るなら、ファルコンSとかは合いそうな予感。
その他の馬
4着レッドレオンは、今回はスタートを決めて先行できました。しかし、レースが動いた中盤でも手が動いていましたし、コーナーも押っ付け気味。それでも4着には残したように、反応はかなり鈍いですがエンジンがかかれば・・・という馬。
まだ気が早いですが、菊花賞路線での注目馬にはなるでしょう。クラシック春2戦では厳しいです(賞金的にも無理でしょうが)。
9着ダノンマジェスティは競馬になっていませんでした。デビュー戦でも直線でかなり外に逃げていましたが、今回は道中も思いっきりひっかかり、コーナーでも外に逃げる形。さすがにあそこまでヤンチャだと、すべて騎手のせいにはできません。破壊力はあるはずなので、大人になるのを待ってからということになるでしょうね。
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